岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

理解できないものも含め、世界には様々な価値観がある。映画「バハールの涙」

IS(イスラム国)によって幸せな家庭をめちゃくちゃにされたクルド人女性が、IS打倒を目指す軍事組織に加わって活動する様子を描く映画です。
ISといえば人質を残虐な方法で殺害してその様子をインターネット上で公開するなどの所業や、支配地域での人権抑圧によって国際的に非難され、米国を中心とした国際的な軍事制裁の対象となって消滅したと記憶しています。

映画では主人公のクルド人女性が軍事組織に加わるまでの過酷な経験も描かれています。女性が軍事組織に加わることに違和感を感じる人もいると思いますが、その過酷な経験を知ることで、軍事組織に加わる決断に納得することができると思います。

こうした映画を通じてISのことを思い出したり、また今回のアフガニスタンの混乱を見て思うのは、西側先進国の価値観では理解しにくい考え方や価値観が一定の支持を集める地域があるということです(なおアフガニスタンタリバン政権とISは全くの無関係とのことです)。ISは最終的に現地の支持を失って消滅したわけですが、一時的かつ恐怖を通じてかもしれませんが、「国」と自称するだけの地域を支配したわけで、そこには一定の支持があったということなのでしょう。

アフガニスタンにおいては西側先進国の支援に支えられた政権が崩壊し、イスラムの考え方に基づくタリバン政権が誕生したわけで、そのことを私達の価値観で否定するのはおかしなことなのかもしれません。
ただし、旧政権の統治下で西側先進国の価値観に慣れ親しんだアフガニスタン人が、新政権の価値観を拒否するのであれば、その選択は尊重されるべきだと思います。現在、アフガニスタンの空港では同国からの脱出を希望する人が殺到していると聞きます。そうした人たちが無事脱出し、受け入れる国が現れると良いのですが…

reedonshore.hatenablog.com

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