岸辺の日記

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侵略戦争では侵略した大国が勝つとは限らない

ロシアのウクライナ侵攻に関連し、大国と小国が戦った際に必ずしも大国が勝つとは限らないことを紹介する記事を読んだので、その内容をまとめておきます。

記事では大国が小国へ侵攻して失敗した事例として、ベトナム(米国)・アフガニスタン(米国)・イラク(米国)・ソマリア(米国)・レバノン(米国)・アフガニスタン(旧ソ連)・ベトナム(中国)をあげています。その上で民族解放戦争を除き、1914年以降で先に動いた国がプラスの結果を産み出した侵略戦争は珍しいという歴史学者の分析を紹介しています。

アジア太平洋戦争の記憶がある日本(この場合は日本が先に動いたわけですが)人としては、大国が必ずしも勝つわけではないというのは意外感がありますが、その理由は自国を防衛する国民の士気の高さ・防衛する側は総動員体制をとりやすい・当事者以外からの介入を受けやすい(イラクアフガニスタンでは米国が首都を占領したにも関わらず、内乱によって最終的に撤退に追い込まれた)・侵略する側の反戦/厭戦ムードの高まり・軍事技術の変化が防衛側を利するようになったことをあげています。

例外は戦闘目的が限定されている場合で、湾岸戦争で米国主導の連合軍がその目的をイラク軍のクウェートからの撤退に限定したこと(その後、イラクフセイン政権の打倒まで目的を広げると失敗)、コソボへの軍事介入(航空能力を通じたコソボの支援)が例としてあげられるとのことです。

記事では「大国であり続ける唯一の方法は大戦を戦わないこと」という歴史学者の言葉も紹介しています。例えば英国は第二次世界大戦で勝利したものの、大国としての地位は失っているとのことです。こうした文脈の中で紹介されていたのが、こうした教訓を意識してかベトナムでの失敗以降、中国が大きな戦争を起こしていないことです。こうした力を蓄えた中国が今後のどのような行動を起こすのか、目が離せません。

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