岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

またしても買い場を逃したか?引き続き安くなるのを待ちます

先日記事にした通り、本当にあと少し株価が下落したところで追加投資しようと思っていたところ、ここ数日猛烈な株価反転に見舞われています。またしても買い場を逃したかと思っていますが、今回の反発は一時的とする意見がいつもより多く散見されるような気がします。

今回の反発を一時的なものと考える背景として、米国金融当局は物価上昇対策を最優先する(景気後退も辞さない)姿勢を崩しておらず今後も企業業績への悪影響が見込まれること、また金利上昇による株価のバリュエーション低下が見込まれることが指摘されています。

昨日、豪州中銀が予想以上に小幅な利上げを行ったことが世界的な利上げの終着点を意識させましたが、実際のところFRBもECBも利上げを物価上昇が落ち着くまで利上げを継続する姿勢を崩していません。そのように考えるとここ数日の株価の反発は楽観的な予想に基づくものであり、再び下落局面が出現してもおかしくないように思います。また投資家の心理が極端な悲観に振れていないことも、弱気見通しを補強する材料になるでしょう。

一方で景況や雇用に関する統計で悪い結果が出た時に、金融当局の引き締め緩和が意識されて株価が上昇する傾向も感じられるようになってきました。こうした傾向こそが投資家の楽観的な姿勢の現れとも言えるわけですが、最悪期を過ぎた市場は悪材料をこなしてスルスルと上昇するものです。株価反発によって追加投資時期は少なくとも来週以降にずれ込んだように思いますが、ともあれ引き続き株価の動きに注目していきます。

reedonshore.hatenablog.com

取締役会で実効性のある議論を行っていたクレディ・スイス

スイスの金融大手グループ、クレディ・スイスの財務健全性が市場で注目を集めています。同社は投資銀行部門の一部を売却する等の再編が取りざたされていましたが、それらが決定する前に意図しない注目を集めた形になります。ただ同社の財務は健全なようで、破綻等は想定しなくて良いようです。そのような見通しが広がったこともあり、同社の株価は小幅な下落にとどまりました。

クレディ・スイスについては投資銀行部門の一部売却を報じる記事を読んだ際、取締役会で実のある議論が行われていることが紹介されていて、取締役会の実効性に感心した覚えがあります。その時の記事を読み返すと投資銀行部門の縮小をめぐっては取締役の間でも様々な意見があるようで、取締役会でそれぞれの意見を取り交わしているそうです。

取締役会と言うと事前に定められた結論を了承する意思決定の場という印象があり、そうした使い方も決して間違っていないと思います。この場合、取締役の知見は事務局による事前説明を通じて反映されるのでしょう。ただし複数の取締役が顔を合わせて意見交換して意思決定を行ったほうが、より良い意思決定につながるように思います。取締役会の場で議論をするため、意思決定できる議案の数は減ることになります。このため取締役会での議決が必要な案件の数を減らす等、取締役会の運営方法を工夫する必要があるでしょう。

取締役会の結論が結果的に間に合わなかったクレディ・スイスですが、企業統治の点では学ぶべき点もあるように思います。

reedonshore.hatenablog.com

株価が安くなっているものの、もう少しだけ下げを待ってみる

FRBタカ派姿勢の鮮明化を受けて株価が下落しています。かなり安くなってきたことを受けて、株価の底打ちを予想する意見が増えてきており、買い場を逃さないか不安になっているところですが、もう少しだけ安くなるのを待つ方針です。待つといっても本当にあと少しです。現在の株価は直近のピークから約26%下落していますが、これが28%まで下落するのを待つ程度です。

順調に行けば今週にも買い場が出現しそうですが、現在の株式市場をめぐる好材料と悪材料を記録しておきます。好材料としては、株価下落により投資家の悲観が高まっている(総悲観になった後は強気が増えるしかありません)こと、エネルギー価格のピークアウトにより物価の落ち着きが予想されることが挙げられます。この他に想定よりも堅調な企業決算が予想されるとの見込みもあります。またFRBタカ派姿勢も市場に織り込まれてきたように思います。

悪材料としては米国の長期金利は引き続き上昇する可能性があること、英国の積極財政が世界の金融市場にもたらす混乱、エネルギー危機の影響が継続すると見られることが挙げられます。英国の問題やエネルギー危機はそのリスクを市場が織り込み中で、まだ十分に織り込んでいないように思います。このため買い場を逃すようなことはないと考えており、あともう少しの下落をじっくり待ちたいと思います。

注意点としては米国の長期金利のさらなる上昇(例えば5%近辺への上昇)で、これが実現すると株価はさらに下落しそうです。そうした可能性があるので手元資金の全てを一気に株式に投資せず、半分程度を手元に残しておく予定です。資金効率は悪くなるかもしれませんが、結局これが一番後悔の少ない投資法と考えています。

reedonshore.hatenablog.com

reedonshore.hatenablog.com

9月末の資産チェック。今年1月以来の大規模マイナスも今後に向けての不安なし

月末の週末ということで毎月末の資産チェックを行いました。9月は株式(VT、ドル建て)が10.0%のマイナス、クレジット債(JNK、ドル建て)が4.4%のマイナスと、リスク性資産が下落しました。一方で為替は138円台から144円台へと円安が進み、4.2%のプラス要因になっています。資産全体では2.8%のマイナスとなり、これは今年1月の4.0%のマイナス以来の規模のマイナスです。

9月はFRBタカ派姿勢が明確になったことから、後半になって市場が急落しました。堅調に推移していた前半に資産額が一時的に大台を超えたこともあり、資産管理用のスプレッドシートを開く頻度が高い、良い月でもありました。大台を超えるか超えないかというタイミングは日本時間の昼で、スプレッドシートをほぼ開きっぱなしにして眺めていたのが印象に残っています。

そうした時期があっただけにその後の市場の一変も大きかったわけですが、私は今後についてあまり不安に思っていません。株式は長期的にリターンをもたらずはず(実際にもたらしています)ですし、クレジット債は株式ほどの実感はないのですが利息収入がもたらす収益の安定感や株式に比べた安定性は魅力です。月末時点では達成できなかった大台ですが、近い将来に突破することは確実と考えており、今後も株式とクレジット債に投資する現在の方針を維持していけば良いと考えています。

reedonshore.hatenablog.com

reedonshore.hatenablog.com

ドイツ政府がフィンランド企業の子会社を国有化する

ドイツ政府がドイツ国内でガスを輸入する企業の出資比率を引き上げ(すでに30%出資済み)、完全国有化する記事を読みました。エネルギー価格の値上がりによって、電力やガスを消費者に販売している企業は軒並み苦しい経営を迫られており、これらの会社を救済するための措置とのことです。

ガス価格の上昇はウクライナ侵攻とそれを受けたドイツ政府の対応に起因するもので、一民間企業の努力では対応が難しく、このため政府が救済することは止む得ないと思います。ウクライナ侵攻以前か物価上昇の可能性は指摘されており、先物市場等を通じたヘッジが可能だったのではという指摘も正しいとは思いますが、とはいえ現時点でこれらの企業を破綻させても、後継会社の営業体制が整うまでの間、無用な混乱を招くだけだと思うからです。

そのようなことを考えながら記事を読み進めていくと、この企業がフィンランドの国有企業の子会社であることが紹介されており、頭が混乱しました。ドイツのような大国の公益事業を外国企業の子会社が経営しているのが不思議ですし、その企業に対してドイツ政府が大規模な出資を行っているというのも不思議です。またドイツの納税者はドイツ政府がフィンランドに多額の支払いを行うことに違和感を感じないのかとも思います。
(ドイツ政府による出資は、出資を通じて国内の公益企業に対する影響力を維持する等の思惑があるのでしょうが…)

経済安全保障の考え方では、外国の国有企業の子会社に自国の公益事業を経営させるのは危ういと考えるのが自然です。日本では公益事業に外資企業が参入し、それに日本政府が出資することは考えにくいですが、欧州圏内の結びつきは強く、それゆえ少なくともドイツ国民にはあまり違和感はないようです。

reedonshore.hatenablog.com

英国の混乱は他人事ではない

新政権が積極財政を打ち出した英国は、国債や通貨、株式の一斉売りに見舞われています。市場を安定化させるために英中銀が国債を買い支えするなどの対応を迫られ、一定の効果が得られたようですが、まだまだ混乱は続きそうです。そうした中で英国の混乱を日本にとっての教訓とすべしという記事を読みました。

記事では日本で検討されている大規模経済対策について、規模を競うのはおかしいとする意見や、円安のさらなる進行を懸念する意見が紹介されています。今回の経済対策は物価高や円安に対応したものとのことですから、お金のバラマキは物価高や円安に拍車をかける可能性があることは指摘の通りです。このため救済範囲を絞った対策が必要になるはずで、規模が先にありきで検討していくのがおかしいこともその通りだと思います。

以下は英国と日本の政府債務(対GDP)です。英国が日本並みであることに驚きましたが、予想通り日本の政府債務の規模は英国を上回っています。日本で英国のような市場の反応がいつ起きてもおかしくはないわけです。日本市場が今のところ平静を保っている理由が、市場参加者の危機感のなさだけなのだとすると、危機感を察知した時の市場の反応は恐ろしい気がします。

セントルイス連銀のデータベースより

 

英国では今回の混乱を受けてか、与党保守党の支持率が急低下しています。支持率低下が積極財政計画の修正につながるのかに注目です。

雑な試算。日本で金利が2%上がったら…

日本で本格的な物価上昇が起こった時は金融政策を引き締め方向へ転換させれば良いとされています。以下のグラフにある通り日銀の保有資産(GDP対比)は突出しており、これを減らし始めることは確かに為替レートなど金融市場に相当な影響を与えそうです。

セントルイス連銀のデータベースより

 

ただし保有資産の圧縮は国債金利を上昇させることにつながります。国債金利が上昇した時の影響を雑に試算してみました。現在の日本国債の残高は1026兆円になっています。現在はほぼゼロの国債金利が仮に2%に上昇した場合、利払い負担は約20兆円増えることになります(後に触れますが急に20兆円増えるわけではありません)。

セントルイス連銀のデータベースより

 

この利払い負担増は歳出削減と増税によって賄うことになります。まず歳出削減ですが、日本政府の年間予算は107兆円で、最大の出費は高齢化によって今後も増えるであろう社会保障費で36兆円、次いで国債償還や利息として支払われる国債費で24兆円になっています。無駄遣いの象徴としてやり玉にあがることの多い公共事業は6兆円であり、歳出削減はかなり難しそうです。

歳出削減が難しいのだとすると、20兆円は増税で賄うことになります。現在の消費税による税収が21.6兆円ですから、消費税を現在の2倍にすれば対処可能ということになります。ただ全てを消費税で負担することは現実的ではありません。所得税法人税で均等に負担を分けるとして、消費税は現在の約3割増しになります。所得税も同時に3割程度増えることになるので、それでも国民にとっての負担は小さくはないでしょう。またそもそも消費税の増税は政治的に選びにくい選択肢になります。

このように考えていくと日本政府にとって国債利回りの上昇は、悪化している財政にとどめを刺されるような一大事であることが分かります。一方で金利が上昇しても日本政府の利払い負担は急に増えるわけではなく、金利上昇後に借り換えた国債についてのみ、高い金利が適用されることになります。現実的な落とし所としては、金利が上昇した後に歳出削減か増税のどちらを選択するのかについて国民的な合意を取り付け、合意に基づいて財政を運営していくことになるのだろうと思いました。また金利上昇が発生した後、国民が痛みを伴うであろう選択をすることができるのかも要注目だと思います。

reedonshore.hatenablog.com