岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

パレスチナにおける高倉健。映画「オマールの壁」

アマゾンプライムで何度も「あなたへのおすすめ」として出てきたので、見てみました。そして「おすすめ」に値する、とても面白い映画でした。

パレスチナにおける抵抗運動をテーマにした映画なのですが、そこで描かれる世界は平和な日本に住む私には文字通り別世界(別世界を垣間見ることができるのも映画の価値だと思っており、悪い意味ではありません)です。
ただパレスチナの人々が体制側であるイスラエルに反発する気持ちは、普遍的なものとして理解できます。そしてパレスチナ側の視点に基づいた映画ですので、観客は主人公にどっぷり肩入れして映画を見ることになります。

さて映画の中で主人公は体制側である敵役に翻弄され、敵役に要求されることと仲間意識(コミュニティ)の間で苦しみます。なんとか我慢して、体制とコミュニティとの間で折り合いをつけて生きていこうとするものの…という筋書きになっており、この辺りは高倉健さんが出演していたようなやくざ映画と似ていると思いました。
最終的に暴力を解決手段として選択する場合、その選択が止むに止まれぬものであることが納得できないと、観客は感動しません。そうでないと単に暴力的な映画になってしまいます。こうした映画のお約束は古今東西で変わらないように思います。

パレスチナを舞台にした映画を見て、そんなことを考えました。

reedonshore.hatenablog.com