岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

日本当局は金利を引き上げることができるのか?

日本の財務官が、急激な円安が発生した際に利上げや為替介入で対抗すると発言したことが記事になっていました。私がこの記事を読んだ時に思ったことは、財政が悪化した日本政府に、金利を引き上げる余力がはたしてあるのか、ということです。

財務官は「利上げによって資本流出を止める」と発言したそうですから、急激な資本流出が起こるような、危機的とも言える円安を想定した発言のようです。そのような事態に陥った時は、財政の健全性は二の次になるのかもしれませんが、金利を引き上げた後に日本政府が利払い負担に耐えることができるのかは、心もとないような気がします。

ちょうど本日、イエレン米財務長官が米国政府は利払い負担に耐えられると発言した記事を読みました。公の場でそうした発言があるということは、米国内で利払い負担を懸念する意見が一定数存在することを示しているのだと思います。米国の金利は5%で0.8%程度の日本とは水準が異なるとはいえ、政府債務がGDPの約120%で米国でこのような懸念があるのに対し、日本の政府債務はGDPの約220%となっています。

セントルイス連銀のデータベースより

 

このようなことを考えると、日本当局はそう簡単に利上げすることはできないような気がしました。

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