岸辺の日記

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ロシア中銀の追加利下げ。自らの意に反しても仕事を継続するロシア中銀総裁

ロシア中銀が追加利下げを行い、政策金利を14%まで引き下げました。

ロシアの政策金利ウクライナ侵攻直後の緊急利上げで9.5%から20%に引き上げられた後、金融市場の安定を受けて引き下げられ、20%→17%(2022年3月)→14%(2022年4月)と引き下げられています。

ロシアでは様々な政策手段を通じて金融市場が管理されているようで、それ故に当局者は極端に高い政策金利を利用しなくても通貨や金融システムを守ることは可能であると判断したのでしょう。
金融市場の崩壊は免れたようですが、西側諸国の経済制裁の影響を受けてロシア経済は厳しい状況が続いています。このためロシア中銀は今後の金融政策の重点を金融市場の防衛から経済に対する金融的な支援に移行させる方針のようです。

中央銀行の長としてこうした金融政策を司っているのがナビウリナ総裁です。この方はこれまでの任期を通じてロシアの金融市場の発展や国際化を進めてきた人物と、西側市場からも高く評価されていたそうです。この度のウクライナ侵攻を受けて同氏は辞職を申し出たそうですが、プーチン大統領から引き止められて留任することになったそうです。
(私が読んだ記事では、このタイミングで辞職することをプーチン大統領は裏切りを見なすだろうとの観測が書かれていました。辞めるに辞められない状況のようです)

ナビウリナ総裁個人としてはウクライナ侵攻を結果的に支援する仕事を行うことに複雑な思いがあるのでしょうが、それにも関わらず少なくともこれまでのところ、与えられた職務を期待通りにこなしているようです。私はロシア株ETFに投資していることもあり、戦況に加えてロシアの経済状況に強い関心を持っているのですが、自らの意に反しても仕事は期待通りにこなしているナビウリナ総裁にはその役割以上の関心を寄せています。

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