岸辺の日記

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ルーブルが急落!ロシアがルーブル高の解消に乗り出す

6月下旬以降、ロシアの通貨ルーブルの価格が急落(対ドルで15%下落)しています。ルーブルの価値はウクライナ侵攻後に急落し、3月初旬まで下落し続けました。これに対しロシア政府は利上げ、輸入代金の一部をルーブルに換金することを義務付ける、外貨引き出しに制限を加える等の政策でルーブル防衛に取り組みました。

その結果ルーブルの価値は侵攻前よりも高くなっていました。ロシアでは物価上昇も起こっており、自国通貨の価値上昇は物価の安定に向けた有効な手段と目されてきました。ところがあまりにルーブルが高くなると、石油・ガスの輸入代金(通常はドル建て価格で契約しているはずです)のルーブル建て価格が減少してしまい、これが財政運営上、無視できなくなってしまったようです。

そこでロシア政府は為替介入を行う姿勢を見せ、以来ルーブルの価値は急落し、現時点で約15%下落しています。まず輸入代金の一部をルーブルに換金する義務を撤廃しました。これはルーブルの買い需要を急減させるはずで、ルーブル高の抑制にかなりの効果をもたらずはずです。

また為替介入も検討しているようです。とはいえ経済制裁のためルーブルを売ってドルを買うような直接的な介入は難しく、友好国の通貨を通じてルーブル安へ誘導することが予想されています。おそらく中国人民元やインドルピーを通じて介入を行い、介入で得た資金は中国やインドの資産(おそらくは国債)に投資されるのでしょう。ウクライナ侵攻によって生じた世界の分断はますます広がるのかもしれません。

ロシア政府の立場から見ると、物価上昇に対応する有効な手段であるルーブル高を解消しているわけで、戦時経済の長期化に対して自信があるのかもしれません。私が投資しているロシア株ETFの売買が再開されるには戦争が西側優位な形で終結することが必要だと思っていますが、それには時間がかかるのかもしれません。

 

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