岸辺の日記

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理論価格が復活した東証上場のロシア株ETF。米国上場のETFは相変わらずほぼゼロのまま…

ロシア株の取引が再開された後、ロシア株に投資する米国ETFの理論価格(基準価額)がほぼゼロのままで、取引再開前後で価格が変わっていなかったことは先日記事にした通りです。ところが昨日ふと気になって東証上場のロシア株ETFの理論価格を確認したところ、なんと価格が付いていました。

東証上場ETFの運用会社が公表した文書によると基準価格は投資信託協会の基準に基づいて計算されており、その基準を確認すると外国株式は現地市場の最新価格で評価するとされています。市場としての実態はともかく、たしかに基準を素直に適用するとモスクワ証券取引所の最新価格で評価することになり、それゆえ理論価格が復活するのは理解できます

それでは米国上場のETFではどのように理論価格を計算しているのかですが、米国の基準では価格情報を提供する会社(pricing vendor)の提示する価格によって評価を行っているとのことです。情報提供会社が、現在のロシア株は実質的に無価値であるとETF運用会社に報告し、それを基準価格の計算に適用しているわけですね。

東証上場ETFの運用会社も今後情勢が変わらなくても、総合判断によって理論価格が大きく引き下げられる可能性があるとのことです。米国上場のETFで適用されているような、売買の可能性に基づいた評価基準が設けられているということだと思います。ファンドの評価方法をめぐって日米の運用会社で考え方が異なる(適用する基準が異なる)のは面白いことです。

昨日記事にした通り、現在のロシア株市場は外国人投資家の売買が制限された状態が続いています。このため米国ETFの運用会社に情報を提供している会社がロシア株の価値をほぼゼロと評価する背景も理解できます。戦争が集結して制限のない証券取引が再開されるのはいつなのか、引き続き注目していきます。

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