岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

それほど下がらなかったロシア株。ただ外国人投資家による売買が再開されたら大幅下落しそう…またロシア株ETFの理論価格はほぼゼロのまま!

昨日記事にした通り、限定的な形であるもののモスクワ証券取引所が取引を再開し、およそ1ヶ月ぶりにロシア株に価格が付きました。厳しい経済制裁や戦闘の長期化を受け、株価は大幅下落すると私は思っていましたが、休場前の2月25日対比でドル建て指数で9%安、ルーブル建て指数で4%の上昇となりました。2月25日時点でかなり下がっていたとはいえ、昨日の下落幅の小ささは意外でした。

そのことを伝える記事には、引き続き外国人投資家の売買が禁止されていること、年金資金を使った買い支えや企業の自社株買いによって、下落幅が抑えられたという分析が紹介されていました。ロシア株を売りたくても売却できていない外国人投資家は数多くいると思われることから、外国人投資家による売買が再開した場合、ロシア株市場に与える影響は莫大なものと思われます。またロシア国内の投資主体による買い支えも限度があることから、記事では最終的に2月25日時点から大幅下落するのではないかと分析されていました。この分析に基づくと直近高値から70%の下落ということになり、なるほどそのくらいは下落してもおかしくないと思います。

今回の買い支えはロシア政府による指図(明示的ではないかもしれませんが)によるものだと思います。買い支え後に外国人投資家による売買を認めると、外国人投資家の売却を受けて株価は下落するでしょうから、政府の指図に従った投資家は損失を被ってしまいます。自らの指図に従った投資主体に損をさせることはしにくいでしょうから、外国人投資家の売買再開が認められるのは相当後になるように思いました。これはロシア株投資家にとって不安材料です。

最後にこれが一番気になったのですが、ロシア株の売買が再開された後もロシア株ETFの理論価格はほぼゼロのまま変わっていません。外国人投資家に分類されるであろうロシア株ETF保有しているロシア株は引き続き売買不可能であり、実質的な価値がほぼゼロのままというのは理解できます。ただし母市場であるモスクワ証券取引所で株価が付いている以上、理論価格は復活するように思っていました。昨日記事にした通り、ほぼゼロという理論価格で償還されることが、ロシア株ETFの投資家にとって最大のリスクであるわけで、再開されたロシア株市場の値動きと共にモスクワ証券取引所での取引価格のロシア株ETFにおける取り扱いについても注目していきます。

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