岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

ああ、やはり…中国の国有企業がロシア株式の取得を検討しているらしい

当ブログではロシア関連証券への投資は必ずしもロシア支援につながるわけではないとして、ロシア関連証券を拙速に売却する姿勢に疑問を呈してきました。
※あらかじめお断りしておきますが、私はETFを通じてロシア株に投資しています。このためポジショントークという側面はあると思います

その理屈は①当該証券がロシア企業によって買い戻されたり、第三国によって取得される事態を回避すべきではないか、また②発行済証券への投資は発行体への資金提供に当たらないのではないか、というものでした。
②については厳密に言うと、市場で価格が付くことで、新規の証券発行と資金調達を誘発する可能性はありますが、それは金融機関を監督する当局が管理すれば良いと考えています。

そんなことを考えていた私からすると、懸念した通りと思えるような記事を読みました。中国政府が音頭をとって、中国の国有企業がロシアの大手エネルギー企業への投資が検討されているとのことです。現在は検討段階であり、最終決定ではないようですが、仮にロンドン市場等で取引されているような、ほぼゼロのような株価で投資できるのだとすると(さすがにそんなことはないと思いますが)、中国はきわめて有利な条件でロシア企業に投資できることになります。

下値リスクがきわめて限られているこの取引のリスクは、中国が国際的な批判を受け、孤立する可能性だと思います。ただ国際的な批判というリスクは、ロシア企業や新興財閥には当てはまりません。
彼らはすでに経済制裁によって国際的に孤立していますし、また自身が発行した証券を買い戻すことは一般的な財務戦略の一つであり、批難される理由はないからです(日本では岸田首相が企業の自社株買いに疑問を呈していましたが…)。

ポジショントークなのかもしれませんが、ロシア関連証券を拙速に売却することは発行体であるロシア企業を利する可能性もあり、冷静な対応が必要だと思います。

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