岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

ロシア政府が石油・ガス開発プロジェクトの権益を通じ、西側企業に揺さぶりをかける

ロシア極東で運営されている石油・ガス開発プロジェクトの外国企業が保有する権益を、接収する可能性がある方針をロシア政府が打ち出しました。このプロジェクトの権益を管理する新会社を設立し、新会社の持ち分を今後保有するかどうかを現在の権益保有者に問う方針とのことです。このプロジェクトには日本の大手商社が2割強を出資しており、大手商社はロシア政府の方針に賛同するかどうかを明確な形で示すように問われた形になります。

このプロジェクトの権益はウクライナ侵攻の直後、英国企業は撤退を表明しましたが、日本は撤退しないことを決定し、この判断は英断だと思っていました。表面的に経済制裁に協力しつつ、エネルギー権益については立場を明らかにせず、継続確保する方針は現実的でした。ただ今回のような形で権益の継続保有について明確に問われると、国際社会の目があるだけに安易に継続保有するとは言いにくいでしょう。ロシア政府の発表を受けて、この大手商社の株価は下落しています。

当時、本ブログの記事で懸念した通り、日本からの協力がなくてもプロジェクトを稼働させることについて、ロシア側は自信を持ったものと思われます。権益を継続保有する侵攻当初の方針は日本政府と協議して決めていたようで、今回も大手商社は日本政府と協議して対応を決めることになるはずです。大手商社と日本政府がどのような判断を下すのかが注目されます。

このようなことが起こると今後、外国資本がロシア国内に投資することはなくなりそうです。ロシア政府は西側資本抜きでの経済を運営していく方針なのでしょうか。そうだとすると西側諸国の投資家が保有するロシア企業の株式は、今後どのような取り扱いになるのでしょうか。私の保有するロシア株ETFの持ち分が同じような形でロシアに接収されないか、少し不安になりました。今回はエネルギー開発という国家的プロジェクト、民間企業の所有権限とはわけが違うと信じたいところですが…

可能性は低いと分かりつつ、頭の体操として同様のことが起こった場合、ETFを運営する会社(米国の資産運用会社です)は、米国政府の方針と顧客であるETFの投資家の利益の板挟みになると思います。そしてロシア株ETFをという、この米国企業にとって主力商品とは言えない商品の顧客(投資家)の利益をどのくらい優先してくれるでしょうか。そんな時に投資家の利益を優先する判断を下したら、米国の資本主義の凄みを改めて実感すると思いますが、ただ可能性は低そうですね。

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