岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

生きる上で必要な物資を生産する国の強さ

米政府が農業関係の企業に対し、水面下でロシア産肥料の購入を促したという記事を読みました。ロシア産肥料はその輸出が制裁解除に向けた取引材料に使われているようで、ロシア側にとっての強力な武器になっています。

この度のロシアに対する経済制裁では石油やガスの取引が継続され、また今回の肥料のように一定の加工が必要な産品も制裁の対象にはならないようです。エネルギーや食料といった生きる上で必要な物資については、直接的な戦争状態にならない限り、取引を継続しなければいけないのでしょう。

ひるがえって日本はエネルギーや食料のような物資は輸出しておらず、工業製品や海外投資で経済を成り立たせている状態です。海外投資はともかくとして、工業製品は各地に競争相手が存在し、仮に日本との取引が停止された場合、それに代わる国はすぐに現れるでしょう。「日本でないと生産できない」といった知財の問題は、戦争状態では尊重されないように思っています。

いまさらですが一次産品に乏しい日本は、国際社会と折り合いをつけていかないと国が存続しません。また国際社会との経済的な競争に勝ち抜かないといけない(そして戦後から1980年代にかけては競争に勝ってきた)ということで、なかなか厳しい宿命の下にいるわけです。ただこのことを嘆いても仕方ありません。個人としてできることは海外投資を通じ、外国企業の収益を享受することくらいですね。

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