岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

英国のシェルが手放したロシア資産の買い取りを中国の国有会社が検討しているらしい

経済制裁の一環として英国の石油大手シェルが手放す予定の資産(サハリンの石油ガス開発事業)を、中国の国有企業が買い取ることが検討されているという記事を読みました。中国以外の買い手との交渉は引き続き可能とのことですが、西側諸国の企業がこの資産を買い取るとは思えず、いずれにしても買い手はロシアへの経済制裁に積極的でない国の企業に限られるように思います。

私はウクライナ侵攻をきっかけとした経済制裁には賛成なのですが、既に投資済みの資産を強制的に売るような制裁のあり方には疑問を感じています。その意味で今回の記事は懸念していた通りの事態になります。仮に買い手が西側諸国であったとしても、最終的な結論が売却と決まっている交渉で優位な条件を引き出すのは困難でしょう。

今回ロシアへの経済制裁に積極的でない国は中国やインドなど、さらなる経済成長が見込まれる国が多いようです。そうした国々において、今すぐ安価に資源を確保できる機会が倫理的な正しさや将来的な地政学的リスクよりも優先されることは理解できます。
このため米国は例えばインドに対し、単にロシアからの資源の購入を止めるように呼びかけるだけでなく、アメリカからの石油輸出(おそらくそれなりに安い価格なのでしょう)を提案しているようです。

このように経済制裁へ参加しない国を声高に批判するより、各国の事情により添った提言が必要であるように思います。ただそれは西側諸国へさらなる経済負担を課すことになるため、とても難しい判断だと考えています。

※私はロシア株ETFに投資しており、このため本記事はポジショントークの可能性があることにご留意ください

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