岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

これはダメです…FRB副議長が緩和策を示唆する直前に株式を購入

先日記事にしたように公的な要職に就く人の資産運用はルールの範囲内であれば問題ないと考えています。政策提言等が自らの投資判断を利するものでない場合はなおさらです。ところがこの度、問題になりそうな個人資産の取引が記事になっていました。

FRBのクラリダ副議長がコロナショックの最中の2020年2月27日、パルエル議長が緊急利下げを示唆する前日に、個人として株式へ追加投資していたことが財産開示で分かりました。その額は100万−500万ドルです。
同氏はこの売買について「事前に計画されていた口座のリバランス」と説明しているようですが、結果的にFRBによる緩和策が市場に安心感を与えたことや自身が金融政策に与える影響を考えると、この売買は問題になりそうな気がします。この売買は副議長がコロナ対策に関する協議に加わる前に執行され、組織内の承認を得た後の売買であったそうですが、それにしても…という感は残ります。
(なお副議長のために申し添えますと、2月27日の買いタイミングは絶妙なタイミングとまではいえず、取引後の3月に市場が大崩れしていました)

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売買に関する倫理的な問題は置いておいて、今回の記事で感じたことは、クラリダ副議長は結構なお金持ちだということ。この方の経歴を見ていると基本的には学者として活躍されたようですが、資産運用会社の顧問として働いていた時期もあったようです。大学教授の給料が特別良いという話は聞きませんので、顧問時代の報酬が良かったんですかね。
またいくらお金持ちといっても1億円以上のお金は大金であったはずです。売買する時は大きな金額を思い切って動かしているんだなと思いました。また改めて記事にしたいと思いますが、債券ファンドから株式ファンドへお金を移したようで、この売買の仕方にも勉強になる部分が多い気がしています。

また先日の2人の総裁に加えて今回の記事ということで、どうもFRB関係者に対する財産開示のチェックを熱心に行う人が出てきたように思われます(日本で言う週刊文春のような人たちが活躍しているのでしょうか?)。冒頭で述べたように2人の総裁の件は問題視すべきでないと思いますが、今回の件は問題になりそうです。これ以上のネタが出てくるとFRBに対する信頼感が揺らいでしまう気もしますが、さてさてどうなることやら…

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