岸辺の日記

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リーダーの条件。パウエル議長はリーダーとして失格なのか?

FRB高官が私的な資産運用が問題視されるなか、米国の有力上院議員がパウエル議長を「リーダーとして失格」と非難しています。この議員は以前からパウエル議長に対して批判的で、パウエル議長の続投に反対意見を述べていた方で、「なぜ一連の投資を止める対策をとらなかったのか」と非難しているそうです。

私はこの件についてパウエル議長に同情的です。まず、これらの高官の取引はFRBの内部規定には反していません。たしかに後々見てみると微妙な取引もありましたが、それは高官が自らを律すれば良かった話であり、パウエル議長が非難される話ではない気がします。
あえて言うと内部規定の担当者に対し、規定の厳格化や見直しを促さなかったことを問題とすることができるかもしれません。ただ私的な資産運用を一切禁じてしまうと、優れた人材がFRBの職を敬遠してしまうようになるでしょうし、そこは一長一短です。

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また若手であればともかく、十分な人生経験を積んできた同僚(各連銀の総裁を念頭に置いています)に対し、手取り足取り指導するのはおかしい気がします。
パウエル議長が同僚である各連銀総裁に「後々疑問を抱かれかねない私的な取引は控えてくれ」と諭すべきかと言うと、そうではない気がします。FRB高官の中で話し合うべきことは、他にたくさんあるはずです。

最後に任命責任が気になったので調べてみましたが、FRBの理事は大統領が上院の助言と同意に基づいて任命し、また各連銀総裁は各地域から選ばれているようです。パウエル議長に今回問題になった人々を選ぶ権限はなかったようで、議長に任命責任を問うのも難しそうです。

このように考えると今回の問題でパウエル議長のリーダーとしての資質を問うのは難しいように思いますが、皆様はどう思われますでしょうか?

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