岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

10月の米国消費者物価の上昇を受けて当局者内に警戒感が広がる

先日記事にしたように米国消費者物価が前年比で6.2%増となったことは市場に驚きを与えました。この結果を受けて11月も同様の傾向が確認できると12月のFOMCで引き締め策が発表されると、それが市場にとってネガティブサプライズとなることを私は期待しています。ここのところ買い場を逃し続けていたのですが、ようやく買い場が訪れるのではないかということです。

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そうしたある意味身勝手なシナリオに逆行するニュースが入ってきました。消費者物価の結果を受けて、テーパリングの加速や早期終了をうながす意見がFRB内部から出てきました。クラリダ副議長、ウォラー理事、セントルイス銀ブラード総裁の発言で、ブラード総裁以外はFOMCの参加者です。この他にFRB出身者(前連銀総裁ら)も現在のハト派路線に対する批判が出ていますが、今回現役のFRB当局者からインフレを警戒する声が出てきたことは注目に値します。
このようなニュースが出てくると本記事の冒頭で述べた12月のFOMCを受けたネガティブサプライズがサプライズでなくなる可能性が高まってしまい、私にとっては残念なことですが、とはいえ経済統計を受けてインフレを警戒するのは金融当局者としてあるべき姿であると思います。

こうした警戒の一方で引き続き現行路線の維持を主張する意見も聞かれ、今のところ現役のFRB当局としては現行路線の維持がメインシナリオであるように思います。その意味では「金融政策の路線転換で市場にネガティブサプライズ」という私が期待するシナリオはまだ健在とは言えますが、どうなることやら…インフレ関係の統計には引き続き注目していきます。

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