岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

物価目標2%は現実的なのか?

日本では2%のインフレ率を目標に金融緩和を押し進めていますが、この2%という目標がなかなか達成されません。この度、首相交代によって退任する麻生財務大臣が自身の任期を振り返り、黒田日銀総裁に2%の目標引き下げを提案したことを語ったことが記事になっていました。

その記事を通じて知ったのですが、麻生財務大臣は金融緩和に対して警戒感を抱いていたようで、以前も2%目標に対して再考の余地があることを指摘していたそうです。私自身もこれ以上の緩和を押し進めるのは副作用が怖いように思っており、この点では麻生財務大臣と似た考えです。

それにつけても不思議なのはこれだけの緩和策をとっていながら日本の物価が上がらないことです。物価上昇のメカニズムによる説明(日本のような経済状況になると物価はなかなか動かないが、動き出すと急速に上昇する)や商慣習による説明(海外では商品価格を引き上げることに躊躇がない一方、日本では値上げにタブー感がある)などいろいろな説明がされていますが、いずれも決定打にはなっておりません。

物価が上がらない理由は日本がデフレを脱却できるまで判明しないのでしょうが、いざ脱却できた時に副作用なく緩和策を収束できるのか。日本以外の先進国ではコロナ禍の特別対応から徐々に脱却しつつある中、少々心配に思っています。