岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

ルービニ教授による悲観的な市場展望

ルービニ教授がインフレと成長率に基づいた4つのシナリオを提示し、それぞれのシナリオ下での市場を展望しています。

高成長・低インフレ;株価上昇。金融政策の正常化は順調に進み、問題なし
高成長・高インフレ;しばらくは株式は上昇するが、高インフレが行き過ぎるとインフレリスクを反映して株価は下落。中央銀行がインフレ退治に乗り出すと株式は下落
低成長・高インフレ;中央銀行(および政府、民間も)は膨大な負債を抱えており、金融政策の正常化は難しくなる。株価は弱気相場入り
低成長・低インフレ;株価は調整局面へ

高成長・高インフレとなった場合に株価がどう動くか、私には検討がつきません。教授が想定するインフレはおそらく物価上昇率が10%近くまで上昇する70年代のようなインフレなのだと思いますが、それほどのインフレが起こった場合はたしかに株価にかなりのマイナスを及ぼすだろうと思います。

低成長となった場合、インフレの動向に関わらず株価は下落すると教授は予想しています。弱気相場は高値から20%の下落、調整局面は10%の下落を意味しますから、低成長・低インフレよりも低成長・高インフレの方が株式市場にとって悪影響ということになります。低成長・高インフレではスタグフレーションと呼ばれる打つ手がない状態になりますから、株式市場はより大きく下落するという展望は理解できます。

教授は短期的に高成長・高インフレとなる可能性を指摘しつつ、中期的に低成長・高インフレシナリオを予想しています。市場への影響という観点では70年代のようなインフレが本当に起こるのかが要注目です。伝統的な見方をする学者・市場参加者は繰り返しインフレリスクを指摘していますが、さてどうなることやら…

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