岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

インフレを知らない市場参加者たち

戦争を知らない子どもたち」という歌があります。本記事を書くにあたって背景を調べましたが、反戦歌として評判になったそうです。反戦歌だったという背景は知りませんでしたが、印象に残る良い曲です。

さて、金融市場では米国を中心に高インフレの再来が懸念されています。コロナ禍が終わって経済が再開する中、米国で中古車価格が上昇したり、世界中で半導体不足が深刻化していますが、同様のことが消費財全般に起こることが懸念されています。そして実際に高インフレの時代が再来した場合、金融市場で必要以上の混乱が起こるのではないかと懸念されています。

かって高インフレだったのは1970年代、その頃の経済と実体験として体感する(それには社会人としてインフレを経験する必要があるでしょう)には、40年を超える職業経験が必要になります。自身を振り返っても社会人はおろか、生まれてこの方インフレの実感はありません。いざ高インフレが起こった時にどのように対処すべきか、分からない点が多いです。
もちろん教科書的な対策については理解していますが、実際に高インフレが起こった時に自身がどのように感じ、行動するのかについては全くの未知数です。往々にして初めての事象への対処は間違いを犯しがちというのも、自分自身を少し不安にさせます。

インフレに対して自身が十分な知見がないことを自覚し、できるだけ教科書的な対応を取ることで、大きな失敗は回避できるように思います。そのように考えると変に工夫をすることなく、淡々と高インフレの時代を迎えた方が良いのかもしれません(インフレの歴史を学んでおくことは必要な気がしますが)。
私を含めたインフレを知らない市場参加者たちが、来るかもしれない高インフレにどう対応するのか、頭の体操は始めておく必要がある気がしています。