岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

現在出現している逆イールドはどうやって解消するのか?

米国の債券市場で出現している逆イールドについて、景気後退の予兆と捉えるには当たらないとする意見が記事になっていました。逆イールドが出現する背景として、投資家が近い将来の利下げを予想している(つまり景気後退を予想している)ことがありますが、この記事では予想されているような利下げが起こるのは景気後退リスクがはっきりと顕在化した場合に限られ、その可能性は低いとしています。

短い記事だったこともあり、記事で紹介された専門家の意見を完全に把握したわけではありませんが、仮に利下げによって逆イールドが解消しない場合、逆イールドは長期金利の上昇によって実現するのかもしれません。より正確に表現すると、現在の政策金利が長期的に維持されるとは考えにくいことから、逆イールドの解消は利下げと長期金利の上昇が少しずつ起こって、実現するということです。

以下は10年金利と2年金利の差をグラフ化したものですが、現在の約1%の長短金利差の逆転を短期金利の引き下げのみで実現する場合、政策金利は4%近辺まで下がることになります。4%近辺という政策金利の水準は妥当な水準なようにも思いますが、先物市場はそこまで政策金利が下がるのを来年の秋頃と予想しており、それほど長い間逆イールドが出現し続けるかについては、少し疑問に思うところもあります。このように考えると長期の金利が現在の水準からもう少しだけ上昇する(上昇するとしても「少しだけ」であり、現在の水準はそれなりに魅力的だと思います)ことも、突飛な予想ではない気がします。

セントルイス連銀のデータベースより

 

このように考えていくと、金利が上昇する余地のある長期の債券よりも、短期の債券の方が魅力的ということになるのかもしれません。つい先日、政策金利がピークに近づいた今こそ長期の債券を買うべきとする記事を読み、一理あると思いましたが、少なくとも長期の債券についてはもう少し我慢しても良いのかもしれないと思い直しました。

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