岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

自分たちに不利な情報を明らかにすることで高まる信頼度。中国の気球問題をめぐって

米国上空に飛来して撃ち落とされた複数の気球の一部について、商業用の気球である可能性が出てきているそうです。

米国政府としては飛来した気球の一部に偵察用の気球が含まれていたと考えており、撃ち落としたことに問題はないと考えているようですが、とはいえ本当に商業用の気球だとすると撃墜は早とちりであった可能性もあるわけで(領空侵犯した謎の物体を撃ち落とすこと自体に問題はないでしょうが、外交ルートを通じた交渉によって撃墜を回避することはできたかもしれません)、この情報の発表はかなり勇気のいることです。

同盟国である日本は今回の米国による発表の前に、かって飛来した飛行物体について中国の偵察気球と推定される旨を発表していました。この発表の信憑性についても疑念が呈されてしまうわけで、自国だけでなく同盟国の立場を考え、今回の分析を秘匿する選択肢もあったでしょう。

このような情報を明らかにする姿勢は逆に言うと、米国が発信する情報に対する信頼度を高めることに繋がるように思いました。それだけ中国側が本件について米国に圧力をかけているということかもしれませんが、権威主義的な国家が同じことを迫られた際、同様の行動はできないように思います。

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