岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

ロシアへの制裁によって存在感を増す中国の金融システム

ロシアに対する経済制裁はかってない速度で同国の経済に悪影響をもたしているようです。経済制裁の中でも影響が大きかったのが国際銀行間ネットワークからロシアの銀行が排除されたことですから、金融システムの重要性を再認識させられます。この現行の金融システムは米国を中心とした西側諸国によって管理されているわけですが、新たな金融システムを構築しようとしている中国に関する記事を読みました。

その記事によると、反米的な傾向のある国や組織は金融システムから簡単に排除されてしまうことを今回のロシアへの制裁を通じて学び、代替手段として中国が提供する金融システムを利用するようになるのではないかとのことです。たしかに戦争にように資金需要がもっとも高まる時に、資金へのアクセスが禁じられてしまっては意味がありません。このため利便性を考慮して平時においては現行の金融システムを利用するものの、バックアップとして中国による金融システムも並行して利用する動きが広がるかもしれません。

こうした事態は西側諸国でも憂慮されているようです。現在のところ西側の金融システム(通貨としてのドルの強さとも言えます)は、それが幅広く受け入れられていることや動く資金量が膨大であることから、一朝一夕に中国が提供する金融システムに置き換わるとは考えられません。とはいえ中国による金融システムを利用する国や組織は、反米的であるかどうかに関わらず、今後徐々に増えていくのだろうなと思っています。存在感を増す中国には注目する必要があります。

reedonshore.hatenablog.com