岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

現役財務次官が安易なバラマキを批判する。そもそもこうした意見発信がもっとあっても良かったのでは?

財務省の現役事務次官である矢野氏が安易なバラマキ政策に流れがちな政治を批判し、話題になっています。取材や質問に対して本音を漏らしたのではなく、月刊誌への寄稿という形で明確に批判したものです。私はバラマキ政策について不安に感じていたので、こうした意見が出てきたことを頼もしく思っています。

政府がさらなる財政支出を計画している中で、その流れに反する意見表明はとても勇気のいることだと思います。すでに事務次官という役人としての最高位についてはいるものの、役人を辞めた後の処遇が決まる際、政権(バラマキは継続しているものと思われます)との関係性は重視されるであろうからです。

ただ一方で本来であればこうした意見表明はもう少したくさん出てきても良かったのでは、という気もします。役人は公僕という立場ですから、国民の代表である政治家の決断に最終的には従う必要はあります。ただ政策決定におけるシンクタンク的な役割を霞が関が担っている以上、自身の意見を表明することはもう少し積極的に行っても良いように思います。キャリア官僚として一定の処遇が保証されていることは、自身の考えと政策が相容れない時に意見具申することへの期待料も込められているのではないでしょうか。

昨今、様々な分野で新たな概念が、これまで以上の早さで導入されています。そうした変化に対して反対意見を持つことは自然なことだと思います。特に幹部として組織を率いている人がそうした反対意見を抱いた場合、周囲や自身の保身を考えずに発信することが世の中のためであり、その地位に期待された役割であるように思います。ま、外野が勝手なことを言うのは気楽なものなのですが…

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