岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

インフレに対処した国の通貨パフォーマンスは良好とのこと。ただし新興国の話です

インフレに対応して金融引き締めを行った新興国が、当該国の通貨・資産が買われることで報われているとする記事を読みました。ロシアや韓国は金融引き締めを行っていたそうですが、そうした国の通貨の価格は上昇しているとのことです。逆に金融緩和を押し進めたトルコは通貨の価値が下落しているとのこと。ブラジルは引き締めに転換したものの、政府による財政支出がその効果を打ち消しており、同様に通貨の価値が下落しているそうです。

金融引き締め政策はバラマキ的な緩和策の反対ですから、よほどの高インフレに悩まされているのであればともかく、基本的に自国民から不人気になりがちだと思います。ロシアや韓国が高インフレに悩まされているという話は聞きません(IMFの統計を確認しましたがやはりそうでした)ので、予防的な措置として引き締めているのだと思います。両国ともに1990年代の経済危機の記憶がまだ新しいのが背景にあるのかもしれません。ただこの記事が示唆していることは、不人気政策であってもインフレを予防し、結果として金融システムに対する信頼感が高まれば、長期的には報われるということだと思います。

こうした教科書通りの展開はなぜか先進国には当てはまりません。金融緩和の度合いでは先進国間で突出している日本ですが、その割には円安は進んでいないように思えます。おそらく先進国間の通貨市場は金融政策以外に様々な要因が働いているものなのでしょう。とはいえ緩和的な金融政策の影響はいつか必ず通貨価値に現れるはず。そんなことを思って市場を眺めています。

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