岸辺の日記

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省力化か、単なるマンネリなのか?ソフトバンクの投資ペース加速に懸念の声

積極的な企業投資によって投資会社へ変貌しつつあるとされるソフトバンクグループですが、その投資ペースの加速ぶりを懸念する声が報じられています。

かっては投資決定に至るまでに1ヶ月程度の時間をかけ、外部のコンサルティング会社を雇って調査を行っていたのを、検討期間を短期化して外部の専門家による調査の回数も減っているそうです。
それに加えて投資部門に所属する人材の数も減っているとのことです。なお人材が減っている背景として、権限が与えられないこと、報酬体系が魅力的でないことが記事では指摘されていました。

ソフトバンクグループの投資は全体として上手く行っているとされていますが、一方でウィーワークやグリーンシルなどの失敗案件もあり、懸念されていることは理解できます。
孫社長からすると「自分が良いと思ったのだから文句があるのか」「多くの投資案件を検討したいので一件あたりにかける時間は減らさざるをえない」「外部の専門家の意見はまどろっこしいし、あまり有用でない」といったところなのでしょう。ただしソフトバンクグループは上場企業(ちなみに孫社長の持株比率は26%)であることや、投資事業の重要性が増していることを考えると、今回のような指摘に対し、ある程度はしっかりと答えないといけないように思います。 

とはいえ物事に習熟していくと、省いて良い分野の見極めがつくようになってくることも事実です。こうした懸念の声への反論を通じ、どこまで省力することが認められるべきなのか、株主と会社側が相互に理解する契機になると良いですね。