岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

嘘から出たまこと?米国の映画館運営会社が格上げされる

年初、米国株式市場ではデイトレーダーによる買い上げにヘッジファンドが巻き込まれ、多額の損失を計上する事件が起こりました。買い上げられた銘柄は経営実態が優れない企業(ゲーム小売りや映画館運営など)が多く、ブーム後の株価は冴えない展開が続いていたのですが、ここへ来て再び株価が上昇しています。

そんな中、米国の映画館運営会社が、このブームによる追い風をうまく捉えたようです。同社は株主優待として株主にポップコーンを提供(米国企業は通常、株主優待を行っておらず、これは珍しいことのようです)したり、個人投資家と意見交換をするなどして、個人投資家をつなぎとめ、そうしているうちに行った増資によって債務を返済しました。
その結果、経済再開による明るい業績見通し(映画館に行く人は確実に増えるでしょう)と、こうした財務体質の改善が評価され、この会社に対する信用格付けが引き上げられたそうです。同社はもともと財務体質が’弱いと評価されていただけに、資金調達がしやすくなるなど、格付けが引き上げられる効果は大きいと思われます。
なお、ゲーム小売り会社も同様に増資によって格付けが引き上げられるなど、ブームの対象となった企業はこのブームをうまく利用しているようです。

このブームはインターネット掲示板内のノリで始まったと聞いています。ノリで始まったブームが企業の信用改善に結びつけることができた理由は、ブームを好機と捉えて増資に踏み切った経営者の好判断なのでしょう。いわば嘘から出たまこと、とても面白い事例だと思います。