岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

なんだかんだで債務不履行を回避しそうなロシア。その狙いは?

ロシアは米ドル建て国債の支払いをめぐり、債務不履行になるのではと言われてきましたが、当面の債務不履行を回避する方向であるようです。

ロシアは米ドル建て国債の支払いを米国にある外貨準備を使って対応しようとしていたところ、この資金が凍結されたことから支払いに応じることはできないと反発し、ロシアは債務不履行となるわけではないと主張していました。純粋に法律論な観点ではロシア側の主張にも一理あるようで、このままロシアがその主張を続けた場合にどうなるのか注目していましたが、結果的にロシア国内のドルを国債支払い用に海外送金することで債務不履行を回避すると目されています。

私は米ドル建て国債保有者はロシア外の投資家(その大半は西側諸国の投資家と思われる)であることから、経済制裁としてロシア国債の利払いを妨げるような政策は西側諸国にとっても得策でないように思っていました。今回、結果的にロシア国内のドルを引き出したことは、西側諸国の投資家は経済的に傷つかず、またロシア国内にある(ロシアにとって)貴重なドルを引き出させたという意味で、西側諸国の思惑通りの展開になったと思います。

このようにロシアにとっては損なばかりの選択ですが、なぜロシア政府は国債支払いに応じたのでしょうか。ある記事によるとロシア国債債務不履行が、ロシア企業の資金調達の妨げになることを避けるためだったのではと分析されていました。企業の格付けはその所属する国の格付けを基準に決まることが多いため、ロシア国債債務不履行になるとロシア企業が国際市場で資金調達することが難しくなります。

この説明は理屈としては分かるのですが、ロシア企業が国際金融市場で資金調達することが実質的に不可能である今、なぜロシア政府がそのような配慮をしたのかが分かりません。ロシア企業の資金調達に協力するロシア外の金融機関が、現時点で存在するとは思えないからです。ロシア政府が近い将来のロシア企業の国際金融市場への復帰を考えているのだとすると、それが現実化した時はロシア株も海外投資家に再開放されているはずです。

今のところロシアが国際金融市場に復帰する将来はまったく見えてきませんが、ロシア株ETFに投資した身としては

reedonshore.hatenablog.com

そんな将来を祈念しています。