少し前のことですが日本企業による自社株買いが過去最高のペースであるという記事を読みました。記事によれば日本企業が自社株買いに積極的な背景として、好業績にも関わらず株安であること、また企業が株主を意識した経営をするようになったことが指摘されています。
好業績にも関わらず株安というのはたしかにその通りで、私も年明け以降の株安局面で日本株式を買おうかと思ったくらいです(ただ結局、長期的な成長余地を考えて新興国株へ投資することにしました)。企業自身がそのように考えていることは株安に直面している投資家を励ましたことと思います。
また株主を意識した経営をするようになったことも良いことだと思います。資本主義的な考え方に対立する概念として「新しい資本主義」が唱えられ、その際に米国では株主資本主義に対する反省が広がっていることが指摘されることがありますが、日本企業においては株主を意識しなかったことが長期的な停滞の原因であり、これまで以上に株主を意識した経営をすべきと考えています。
その意味では単なる自社株買いにとどまらず、買い入れた自社株を消却するくらいのことをして、一段進んだ株主還元を行えば良いように思いました。自社株買いだけですと現預金の代わりに自社株を保有するのとあまり変わらないからです。最後にケチをつけましたが、日本企業が株主を意識した経営を行うようになったことは素晴らしいことで、これが明確な流れとなり、本格した後も株安が続くようであれば、日本株を購入しても良いかと思っています。
