岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

中国の若者が疲れている?豊かになった社会でいかに活力を維持するか

中国のアイドル発掘番組で、無気力な出演者が人気化していたそうです。アイドル発掘番組はその性格上、出演者がアイドルになることを熱望して頑張ることが前提になるわけですが、その出演者はなるべく早く敗退することを希望していたそうで、そのギャップがウケたのでしょう。私の読んだ記事では競争に疲れた中国の若者の雰囲気を伝えていて、なかなか興味深いものでした。

競争に参加する人をつき動かす動機は、自身が豊かになればなるほど、薄れていくものだと思います。中国社会の競争の厳しさについては何かと耳にすることがありますが、中国の若者を取り巻く環境は以前に比べて相当豊かになっているわけで、それだけ競争に参加する意欲が低下しているのでしょう。そしてこの現象は日本では相当昔から観察された現象になります。

豊かになって競争意欲が低下するのは仕方ないとして、社会として競争を維持するにはどうしたら良いのでしょう。それには豊かさ以外の動機を競争参加者に植え付ける必要があるのだと思います。自分の周りだけでなく、社会をより良くすることを目的とするよう、目標を大きく持つことが理想的なのでしょうが、人間は理屈や理念だけで動くものではありません。少し生々しくなりますが、承認欲求を社会的厚生に結びつける仕組みが必要で、その仕組みが地位や名誉だったりするのでしょうね。