岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

体制への異議申し立て。香港市民による意思表示手段を思う

香港でワクチン接種者の数が伸び悩んでおり、その背景として香港政府に対する不信感があるのではないか、とする記事を読みました。香港では効率的な接種方法が採用されており、手続き上は容易にワクチンが打てるようなのですが、ワクチン接種者の伸びが一巡してしまい、有効期限切れを迎えるワクチンが出かねないようです。香港のワクチン接種状況を確認すると人口の約10%が接種済み(5月19日時点、Google調べ)でしたので、まだまだ集団免疫が成立したとは言えない水準。当局としてはワクチン接種を促すために様々な策を講じているとのことでした。


記事の中では無料、Web予約が容易、接種会場が近い、どの会社のワクチンか選べる、といった利便性(「香港よりワクチンを入手しやすい場所は世界にほとんどないだろう」とのことです)にも関わらず接種が進まない背景として、政府に対する不信感を指摘しています。そして「政府の指示や勧めに従いたくない」「まだ残された方法で抵抗し闘う」という匿名の市民によるコメントが紹介されていました。


香港市民が政府に反発する心情はよく理解できます。現状では意思表示の方法がワクチン接種方法に限られてしまうことも、おそらく事実なのでしょう。ただワクチンに関しては打たないよりは打ったほうがよいように思うので、この意思表示はあまり得策でないように思いました。香港はコロナの抑え込みに成功したとされており、ワクチンを打っても打たなくても感染リスクに大差はないのかもしれません。ただし変異種の問題などがあり、今後いつ感染が広がるのか分からない状況です。ワクチン接種によってリスクを抑えた後、心置きなく抗議活動を行ったほうが良いと思うのですが、これは現地の現実を知らない日本人の気楽な感想なのでしょうか。