岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

人生の岐路。映画「カリートの道」

麻薬取引から足を洗おうとする主人公。ただ、先立つものがなければそうも行きません。昔の人脈を活かして職を得て、新天地への脱出が可能になるまでお金を貯めていきます。あと少しで目標額に達するところで事件が起こり…というこのお話。


年を重ねれば重ねるほど、共感できる人が多くなると思います。自身を取り巻く環境が完全に理想的だという人は多くなく、また心のどこかで理想郷を求めている人は多いのではないでしょうか。主人公の恋人も昔の夢をかなえたわけでなく、意に沿わない仕事でなんとか糊口をしのいでいる。そしてそのことをさほど違和感なく受け入れる主人公の姿にも、人はこうありたいものだなと思わせます。現実感の塊のような映画ですが、主人公は自身の生き方にこだわりを持っていたり、ロマンチックなところがある、そんな絶妙なバランス感を楽しめる映画でした。


どうでもいいことですが邦題は「カリートの道」。原題の「Carlito's Way」を直訳したのだと思いますが、道ではなく「生き方」や「やり方」でも良かったかなと思います。ただそんなことは百も承知で「道」と訳したんでしょうね。なんだかんだ言って、この記事の題名(岐路)も道を意識してますし、良い邦訳なのかも…