岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

物価を基準にした為替レートの決定理論が示すのは円高か、物価上昇か?

ビックマック指数という為替レートの参考指標があります。ビックマックという同一商品に対して、アメリカで4ドル、日本で500円の価格がついている場合、ドル円レートは500円÷4ドル=125円になるはず。そんな理屈に基づいた指標です。実際には店舗にかかる地代や人件費などの条件が違うため、単純な比較はできないようなのですが、説得力のある考え方です。

昨今の円安について将来的に円高に反転する可能性を指摘する意見の根拠として、日米の金融政策の変化に加え、ビックマック指数にあるような各国の購買力を基準にした理論的な為替レートが言及されることがあります。ビックマックだけでなく消費者物価指数のように多様な商品を対象にあるべき為替レートを算出すると、ドル円レートは79〜109円で取引されているはず(レートに幅があるのは輸出物価・企業物価・消費者物価のいずれの指数を使うかによって、計算結果が異なるためです)という計算になるそうです。

これらの理論は「超長期でこのくらいの値に収斂するはず」というもので、私達が見ている中短期では役に立たないようですが、この差はどのように埋まるのかを考えてみました。この差が埋まるには、為替レートが円高に動くか、日本の物価が上昇するか(冒頭のビックマックの例で言うと、米国内の価格が変わらず、日本国内の価格が600円になった場合、600円÷4ドル=150円になります)のどちらかです。

せっせと手元の円をドルに換えている私の偏った見方ですが、長期的に見て高齢化が進み、国際的に埋没しそうな国の通貨の価値が高まるとは考えにくいです。そう考えると日本の物価が上昇することを通じ、購買力を基準にしたレートへの長期的な収斂が起こるような気がします。日本国内で米国を上回るような物価上昇が起こった時に自分の生活をどう守るのか、頭の体操をしておく必要があると思っています。

reedonshore.hatenablog.com