岸辺の日記

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ペロシ下院議長の訪台に対し、いまのところ大人な対応を見せている中国政府

ペロシ米下院議長の台湾訪問をめぐり、中国政府は反対の意を表明し続けてきました。警告表現の過激さから一部では米中の緊張感の高まりが武力衝突や激しい経済戦争を招くことを警戒していたようですが、農作物の輸入制限のような軽微なものを除き、いまのところ中国政府は冷静に対処しているように見えます。

私は中国政府のやっていることに賛同はしませんが、とはいえ今回のペロシ議長ような対中強硬派の行動に対し、もう少し穏やかな方法はなかったのかと思っています。実際に今回の訪台をめぐっては、米国内でも反対する声は多かったと伝えられています。外交や政治において、ポーズとして時に強面な面を出さないといけないことは分かるものの、ロシアをめぐって世界が二分している今でなくても良いだろう(報道によると習総書記にとっても今は政権続投がかかる大事な時期なのだそうです)という気がしています。

今回の訪台をめぐる中国の対応はこれで終了ではなく、今後新たな対応が発表されることも考えられるようです。ただ中国も現在は景気減速の瀬戸際にいるわけで、米国との間でこれ以上の経済的摩擦を引き起こし、経済を悪化させたくないという事情はありそうです。中国の指導部にはそうした事情を冷静に分析し、感情的な対応をしないという妙な信頼感があります。

逆に言うと冷静に分析して勝てると判断した相手にはとことん強気に出ているわけで、その点は大いに問題だと思います。とはいえ良くも悪くもクレバーな政府に率いられた国が長期的にどのような将来を迎えるのか、とても興味深いところです。

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