岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

新興国市場に対する楽観的な見通しを読む

新興国ETFを良いタイミングで購入して良い気分になっていた私ですが、その後中国経済の停滞の影響は軽視すべきでないという意見を耳にし、少し不安になっていました。そんな私を励ますような新興国市場に楽観的な記事を読みましたので、記録しておきます。

その記事では来年新興国市場が上昇する要因として、インフレ鈍化と成長加速を指摘しています。各国の金融引き締め等の対応によってインフレを抑制し、また米国の経済成長がピークアウトすれば、新興国が優位になる可能性があるということです。

たしかに供給制約は来年後半には和らぐと思われ(新興国は国際的な供給網に組み込まれる形で経済発展してきました)、また新興国のコロナ対応(ワクチン接種の進捗)も改善余地があることから、新興国市場の伸びしろは残っているように思えます。一方で記事にあった米国の低金利(名目金利がインフレ率を下回る)によって、利回りを求める投資家の資金が新興国に流出するという前提は説得力がないと思ってしまいます。投資家が利回りを追求すると言っても、米国と新興国では国としての信用力がまったく異なるため、利回りが良いからといって米国から新興国に資金が流れるとは思えません。

経済成長については今年の先進国と新興国の経済成長率差は例年に比べて小さく、この点が新興国市場に逆風となったとしています。そして来年以降は米国の利上げの影響で経済成長が低下するので、新興国が優位になるはず…とのことです。ただ以下のような予測もありますし、本当にそうなるのかについては疑問な気がします。

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国際通貨基金による「世界経済見通し」より


記事の中で唯一心強いと思ったのは中国政府による金融緩和余地です。中国政府は相対的に健全な財政運営を行っており(国債市場が未成熟ということもあるのかもしれませんが、GDP対比の負債比率はドイツ並みです)、財政政策の余地は大きそうです。冒頭に述べた中国経済の停滞も、中国政府がうまく舵取りしてくれると期待するのは楽観的すぎるでしょうか…

このようにここ数年で新興国投資が報われることはないのかもしれませんが、10年単位で見て新興国の存在感が増すことは間違いないと考えており、気長に投資したいと考えています。

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