岸辺の日記

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ロシア株ETFの理論価格がほぼゼロに。市場価格との乖離について考える

ロシア株ETFの理論価格(NAV)と市場での取引価格が乖離していることはこれまで度々記事にしてきました。本日も記事を書こうとしてロシア株ETFの理論価格を確認したところ、なんと理論価格は0.11ドル(3/3時点)まで下落していました。1月末時点の市場での取引価格が38.95ドルでしたから、ロシア株は98%近く下落したことになります。

理論価格0.11ドルに対して市場での取引価格は8.06ドル(3/3時点)です。市場での取引価格は連日下落しており、今もまだ理論価格に収斂する過程にあるのかもしれませんが、理論価格と市場価格の乖離はとても大きく、ロシア株ETFの市場との連動性は失われてしまっていると言えます。

ここで言う理論価格はETFを構成する株式の取引価格から算出されるETFの価値を指します。株式市場(主にロンドン市場)での買い手が消滅してしまい、ロシア株の価値はほぼゼロになってしまっているわけです。
通常の市場環境であれば、例えばロシア株ETF保有される証券を買い集め(理論価格の0.11ドルで買えることになります)、それをETFに転換することで市場価格の8.06ドルを得ることができるので、8ドル近く儲けることができます。この例は投資口の新規設定ですが、逆に理論価格が市場価格を上回っているときは投資口の解約を行うことで、ETFの価格は理論価格と連動しているわけです。

現在は投資口の追加設定や解約は停止されており、そのことが乖離が大きくなる一番の要因だと思いますが、その他にロシア株ETF保有者が将来的な値上がりを見込んで安値での売却を拒んでいる、また無理をして売却する必要に迫られていないことも、市場価格が理論価格まで下がらない理由の一つだと思います。
逆に言うとロシア株の取引が再開されない限り、今後も何らかの事情でETFの売却を迫られる投資家が出てくることが考えられ、その場合は市場価格はじわじわ下落していくのでしょう。

ほぼゼロになった理論価格と(このままであれば)理論価格に近づいて行くであろう市場価格。今後の市場価格の動きに注目しています。

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