岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

中国政府が自国企業の海外上場を規制する?

中国企業が米国の株式市場に上場することに対し、中国政府が待ったをかけています。と言っても明確な規制というわけではなく、様々な名目で実質的な取り締まりを行っているようです。
最近では米国市場へ上場した配車アプリの会社に対し、情報管理を理由に同社アプリをアプリストアから除外しました。こうした規制はアプリ会社からすると死活問題で、実際に同社の株価は大幅下落しています。自国の株式市場を育てようという中国政府の意思の現れなのだと推察しますが、こうした取り組みは長期的に中国の資本市場の発展に寄与するのでしょうか?

投資家の視点では、政府の意向次第で投資先の価値が左右されてしまい、またそうした意向の発揮が恣意的かつ頻繁に発生するように思える場合、投資先企業の評価は割り引かざるを得ないように思います。自国株式市場への上場を促す取り組みは一定の成果をもたらすと思われますが、肝心の上場企業の価値が割り引かれてしまっては資本市場の長期的な発展に結びつかないような気がしますが、どうでしょうか。

ただ中国政府の指導者層はこのくらいのことは百も承知なので、個別企業の価値よりも株式市場の魅力度を優先する方向を選んだのでしょう。先日の記事にある通り、商品数を充実させれば市場が発展するわけではありません。こうした取り組みが長期的にどのような成果をあげるのか、注目していきたいと思います。