岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

SPACの国内導入について、新しい仕組みを取り入れる際にお墨付きが必要な日本

昨日に引き続いて特別買収目的会社(SPAC)の話題です。日本では国の成長戦略会議という公的なお墨付きを背景にSPACという仕組みの導入が検討され始めましたが、このことについて考えてみました。公的なお墨付きがないと話が進まないというのは、国の成長の阻害要因になるのではないか、ということです。

米国におけるSPACの歴史を調べてみると、市場参加者が資金調達手段としてSPACに似た仕組みを利用し始めたのが始まりのようです。当初はしっかりとした規制がなかったため、不正行為が頻発したそうですが、それに対処する形で規制やルール作りが行われ、現在に至っています。
最初のうちに不正行為が頻発したことは当然ながら良くないことですが、既存の規制で捉えることができない「創造的な」資金調達手法が出てくることは、必ずしも否定すべきことではないように思います。そしてそうした創造性が金銭的に報われてこそ、業界の活性化が起こるというものです。

金融が社会や個人に与える影響は大きく、業界に対する規制は厳しくあるべきという意見はその通りだと思います。ただしSPACのように30年以上前からあった仕組みの導入が、国の成長戦略会議というかなり高度な意思決定主体によるお墨付きがないと検討が進まないというのは、時間がかかりすぎです。厳しすぎる規制が業界のアニマルスピリットを阻害するようなことがあってはいけません。

日本では長い間、経済の低成長が問題になっていますが、創造性が規制によって押し止められていることも、その一因であるように思います。金融業界は国の成長に大きな影響を与えるからこそ、創造性をある程度は認めて良いように思いますが、いかがでしょうか。