岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

中国政府がお墨付きを与える新興企業。本当に日本から学んでいるのか?

中国政府が重点的に支援すべきと考えた業界の新興企業に対して支援を行っているという記事を読みました。その記事によると半導体・機械・医薬品を中心とした業界で中国政府から認められると、税制や雇用において優遇される他、こうしたお墨付きによって資金調達が容易になる等の恩恵が受けられるそうです。

記事では具体例として資金調達に成功した自動運転やロボットの企業が紹介されています。こうした取り組みが対象となる企業の成長支援に役立つことは間違いないと思いますが、一方で社会全体の資本配分として考えた場合はどうでしょうか?

日本では政府による特定業界支援の大半が上手くいかず、結果として資本を無駄にしてしまった歴史があります(ざっと思い返すだけで、半導体やクールジャパンなどを思い出すことができます)。またお金を出したあとの進捗管理が必要となり、支援される企業に報告負荷がかかるという話も聞きます。今般のウイルス開発でファイザーが米国政府の資金に頼らずに開発されたのも、そうした手間を嫌ってのことと聞きます。このようなことを考えると政府による支援が必ず実を結ぶとは言い切れない気がします。

中国政府は政策運営にあたって日本の失敗から学んでいると聞きますが、先日のゆとり教育的な施策といい、今回の特定業界の支援策といい、本当に学べているのか疑問に思うことも多々あります。とはいえこれまで経済運営で残した実績はすごいものがあります。今後の推移を見守りたいと思います。

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