岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

液化天然ガスが確保できなくなると、日本は電力確保がかなり困難になるらしい

日本が液化天然ガス(LNG)の権益確保に失敗するとLNGの価格が上昇し、結果、電力価格がさらに上昇するかもしれないとする記事を読みました。調べてみると日本の発電量の約4割が天然ガスによる火力発電であり、たしかにLNGの確保に失敗すると電力確保に支障をきたしそうです。記事内で直接は言及されていませんでしたが、サハリンの石油ガス開発プロジェクトの権益をめぐって、ロシアが日本に揺さぶりをかけていることを思い出しました。

ロシアが欧州に対するガス供給を停止することをちらつかせるなど、世界的にガスの確保が難しくなる中、ガスやLNGの価格は上昇しています。LNGはガスを採掘するだけでなく、ガスを液化する工程も必要となる(逆に一度液化すると輸送はしやすい)ため、簡単に製造できるものではありません。このためガスやLNGの価格は上昇しており、発電コストの上昇は電気料金の値上げに結びついてしまいます。

原子力発電を再稼働させれば天然ガスによる発電を代替させることが可能かもしれませんが、原発の再稼働は政治的に困難であり、また仮に再稼働を決めても実際に運転が再開されるのはもう少し後になるでしょう。そう考えると日本の電力確保は綱渡りの状態が続きそうです。

そうした事態を考慮してか、ロシア極東の石油ガス開発プロジェクトの権益をめぐるロシアの揺さぶりに対し、日本政府は権益維持を求める方針を決めたと伝えられています。権益維持を求める際にロシア側が求める条件は明らかになっていませんが、これは賢明な判断であるように思います。ただロシア側が厳しい条件を突きつけた場合に備え、今からガス火力発電に代わる手段を確保しておいた方が良いと思います。そうでなければ足元を見られ、条件を交渉するどころでは済まなくなってしまいます。

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