岸辺の日記

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中国の半導体業界で急成長企業が続出。経済制裁は制裁される側の独り立ちを促してしまう

米中対立の結果、経済制裁の対象となった中国の半導体業界で、急成長企業が続出しているという記事を読みました。

中国政府は制裁の影響を緩和するために国内企業の成長を援助し、また中国内で半導体を使用する企業も必要な半導体の確保のために国内の半導体製造の確立に協力した結果、特に半導体製造に必要な周辺分野で急成長している企業が続出したとのことでした。とはいえ中国の半導体製造は最先端から程遠いようで、米国はオランダへ協力を求めながら、今後も制裁を続ける方針のようです。

私は技術的な知識は皆無ですが、こうした経済制裁は残念ながら効力を発揮しないように思っています。現在の中国の半導体技術は2流か3流なのかもしれませんが、それはやがて1.5流になるのでしょう。最先端の一流には簡単に到達しないと思いますが、とはいえ1.5流の技術で大部分の産業で必要とされる半導体は確保できるのではないでしょうか。

グローバル化が良しとされたこれまでの時代であれば、国際分業によって一流の技術に基づく半導体が中国の製造業で使われていたことと思います。制裁が発せられる前は中国は世界の工場としての自身の役割に満足していた(世界に伍していこう野心は隠していたかもしれませんが…)わけですが、制裁が意図せず中国の独り立ちを促す形になってしまったように思います。

西側諸国としても世界の工場としての中国を上手く利用してきた面があり、1.5流の技術を使う世界の工場よりも一流の技術を使った世界の工場の方が、経済的にはより便利だったはずです。ただイデオロギー的な対立がある以上、経済的な有益さを二の次にしてでも制裁に取り組むべきと判断したのでしょう。ただロシアへの制裁でも見られたように、制裁の対象となった国はその影響をくぐり抜けようと必死になり、実際に中国の半導体業界では制裁を乗り越えてしまったように見えるわけです。経済制裁の難しさを感じさせる記事でした。

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