岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

ゴキブリ一匹見つけたら…SPACブームに崩壊の兆し?

米国で特別買収目的会社(SPAC)と呼ばれる株式上場の手法に注目され、大流行していたのですが、そうして上場した企業の株価の動きが冴えないなど、その流行が終わった兆しが散見されています。そうした中で、SPACの資金募集条件に、明らかに間違いと思われる箇所が見つかったという記事を読みました。
資金募集にあたっての条件は投資の前提となるものですから非常に大事であり、当然のことながら正確さが求められます。その条件の中に明らかな間違いがあると、「一事が万事」ではないですが、すべての条件や前提が疑わしく思えてしまうものです。ブームが去ったのではないかと目される時期であれば、なおさらです。

このようにブームが終わった後に、こうした指摘が出てくるのは良くあることであるように思います。最近でも世界金融危機(リーマンショック)の時にサブプライムローン証券化に関連して、様々な関係者が不正を行っていたことが、後になって分かっています。
とはいえこうした仕組みをうまく利用した関係者がいたことも事実です。サブプライムローン証券化で言うと、ローンで家を買った人(最終的に家は差し押さえの対象になりますが)、ローンを組成した会社、そのローンを束ねて証券化した会社、格付け会社のいずれも得したことになります。SPACで言えば、SPACを通じて簡単な手続きで新規上場を果たした新興企業、SPACという器を提供した会社(元スポーツ選手が設立に関わったSPACもありました…)、器を利用して新規上場企業に投資したかった投資家、関係者のそれぞれがSPACという仕組みをうまく利用したのでしょう。

そして最終的にババをつかむのが、投資家というのも同じ構図です。一個人投資家としては、この手の流行ものには近づかないことを基本動作とすべきだと思います。
そんなことを思っていたら、SPACブームで投資された企業に破綻後に投資するディストレス投資が流行るかもしれないという記事も出てきました。ディストレス投資の世界は、コロナショックによって投資機会が増えるかと思われましたが、政府等の支援もあって破綻企業はそれほど現れず、投資案件の少なさに困っていたことと思います。まさかSPACから投資機会が現れるとは、思っていなかったでしょうね。