岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

グロース・リセッションという流行り言葉が出現した

先週のジャクソンホール会合でパウエル議長は、物価上昇に立ち向かう姿勢を明確にしたわけですが、物価上昇への対処、つまり金融引き締めは景気を冷やす(結果、失業率も上昇する)とされています。FRBの目標は物価の安定と雇用の最大化であり、経済成長は目標には掲げていないものの、ただし2つの目標を追求するあまり経済成長を犠牲にした場合、FRBを監督する米政治家は黙っていないでしょう。実際に一部の有力議員がFRBの政策に疑念を呈したことが伝えられています。

そんな中パウエル議長が目指す経済状態を、景気後退(リセッション)には至らないものの、低成長と失業率の悪化が続く状態だろうと予想し、これを「グロース・リセッション」と呼ぶようになっているそうです。グロース・リセッションはリレッションに比べて経済に与える影響は小さいものの、それが長期間続くことが見込まれているそうです。

グロース・リセッションについて伝える記事では、ソフトランディングの典型とされる1994-95年を例に、短期間に経済を減速させた(ただ私が四半期ごとの経済成長率を確認したところ、大きな減速は確認できませんでした)ことが紹介されていました。大きな影響が見込まれるリセッション(上手く行けばソフトランディングの可能性あり)を許容するか、相対的に小さな影響が長期間続く「グロース・リセッション」を許容するか、FRBは厳しい選択を迫られており、それ故に株価は下落しているのだと思います。

市場を説明するこうした流行り言葉は市場参加者を取り巻く雰囲気を理解する上で、有用だと思います。グロース・リセッションという概念を念頭に、今後の投資計画を検討していきます。

reedonshore.hatenablog.com

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