中国の通信機器大手が発表した最新のスマホに、輸出規制によって本来であれば利用不能な最新の半導体が使われていることが分かりました。規制によって輸入できなくなった最新の半導体を、中国国内で製造していることが判明したわけです。
私はこうした規制は中国の半導体業界の強化を促してしまう可能性があることや、また国際貿易が世界経済にもたらす効果(中国外で既に出来上がった半導体の生産施設があるのであれば、中国内のメーカーはその施設を使って半導体を入手した方が効率的です)を考えると、こうした規制は良い結果をもたらさないように思っていました。
中国製スマホに最新の半導体が使われていたことは、私の懸念が当たってしまったことを示しています。
中国経済の力を削ぐために導入された規制が効力を発揮していないことが分かった一方で、現在の中国は深刻な不況の一歩手前で苦しんでいるとされています。中国経済のバブルが崩壊するという考えは何度となく紹介されたものの、結局崩壊していないので、私はやや懐疑的ですが、ともあれ中国経済の力を削ぐのは輸出規制でない可能性は高いのかもしれません。
小さな政府を信奉する私としては、政府(この輸出規制は米国が各国に呼びかけて実現したと記憶しています)の思うように世界や経済は動かないことを示す、良い事例だと思っています。