岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

冷静に損得で判断する若者世代。ただ権力行使においては原理原則が守られる必要がある

だいぶ前のことですが安倍元首相の国葬をめぐり若者世代が国葬に賛成する割合が高いことが記事になっていました。記事では賛成が多い理由として、経済回復への貢献を評価したこと、個人の自由や市場原理を重視する世代に安倍元首相の政策が合致していたことが指摘されていました。

一方で中高年になると元首相のやや強引な意思決定方法や自民党と宗教団体の関係性が取りざたされたことから、国葬に否定的な意見が増えるとのことです。中高年は穏健な政策を好むようで、それが岸田首相の高支持率につながっていた(国葬問題もあってその後、支持率は急落しました)ことも指摘されています。

私も若者世代と同様に個人の自由や市場原理を重視しているだけに、若者世代が実利的に損得を見極めて政治的な立場を決めることは理解できます。ただ権力はその行使にあたって一定の節度(原理原則に従う必要がある)が求められると思っており、その観点で安倍政権の政権運営には何かと問題があったように思います。安倍政権の功績とされる経済回復も、無理な財政支出に支えられている可能性が高く、国民が今後そのツケを払う可能性があることを考えると、現時点で手放しに評価することは難しいと思っています。

国葬を行うことを決めた岸田政権の意思決定も、原理原則に照らし合わせると微妙な面が多いと思っています。ただこの点は有識者による検証が行われており、その検証内容はお手盛りであるにしても、国葬の実施には議論が分かれていたことを歴史として残した形になります。事後的であるものの、最低限の原理原則は守られたように思っています。

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