岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

ESG投資をめぐって混乱する米国社会

ある事柄の影響力が大きくなるにつれ、それに反対する声が大きくなるのは自然なことです。近年急速に注目を集めるESG投資についても、それに懐疑的な意見は当然出ています。

ただ米国におけるESG反対の動きには、政治的な側面もあるようです。共和党が与党になっている米国の州で、ESGに賛同する金融機関や運用会社を州の取引(州債の発行業務や州の公的年金の運用業務から外すことが考えられるそうです)から外すといった具体的な動きが出ているようで、このことが記事になっていました。

共和党が強い州は、エネルギー企業が州経済を支えていたり、銃規制に反対する人が多いようで、元々ESG投資との相性が悪い地域になると思います。こうした地域がESGに反対することは政治家にとって選挙のためのアピールにつながるため、その是非は置いておいて、政治的な動きの背景は理解できます。

私はESG投資に対し、それを推進することへの社会的な合意形成ができていないように思える点に、危うさを感じていました。例えば今回の共和党が強い米国の州のように、エネルギー企業が地域経済を支えている地域の住民がESG投資へ反対するのは自然なことだと思いますが、それにも関わらずESG投資を推進させる権限はいったい誰にあるのかということです。

政治問題となってしまうことで混乱に拍車がかかるものの、こうした混乱は起こるべきものであり、議論の行方を見守りたいと思っています。

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