岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

増税や社会保障の減額に反対し、かといって国債発行にも賛成できない複雑な国民感情

岸田内閣をめぐる世論調査の中で、防衛費増大と対応する増税について調査されていました。記事によると防衛費の増大に賛成は48%・反対が41%と、賛成がやや多い結果になりました。

中国の存在感が増えている中でロシアのウクライナ侵攻を見せつけられると、防衛費の必要性を感じることは理解できます。一方で貿易で国が成り立っている日本にとって、どのような理由であれ戦争になった時点で相当な苦境に立たされることになるため、もともと防衛費は少なくて良いのではという意見も分からなくはありません。防衛費増額の要否については立場によって考え方が変わるため、政治判断が必要な分野だろうと思っています。

興味深かったのは、防衛費増額の財源についての調査結果です。増税に賛成は23%・反対は69%と、反対が多い結果になりました。また社会保障費等の経費を削ることについても賛成は20%・反対は73%と、反対がおおくなっています。それでは選択肢は国債発行になるわけですが、国債発行ついても賛成が33%・反対が52%になっています。増税社会保障の減額は受け入れたくない、かといって将来に負担を回すことになる国債発行も素直に支持できないという、複雑な国民心理が見て取れます。

防衛増額に賛成しつつも増税に反対する国会議員に対し、私は冷ややかに見ていました。防衛費増大という現時点の便益を享受しつつ、国債発行という形で将来に負担を回すことになるためです。ただ国債発行に対する反対意見が多いことから、私と同様に考える人が多いことがうかがえます。

防衛費増大という政治判断をする場合に政治家が果たすべき役割は、防衛費増大に必要性を国民に説明し、現世代による負担の受け入れに対する理解を得ることなのでしょう。ただ、それが果たして可能なのか。この問題は今後も注視する必要がありそうです。

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