岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

日本株運用者が夢見る日本株式の復活

資産運用会社で日本株式の運用を担当する人が、現在は30年超ぶりの日本株への投資チャンスと考えていることが記事になっていました。記事によると日本株式が優位な展開は今後十数年続く可能性があるとのことです。

記事では日本株を有望と考える背景として、経済成長や企業業績で2年連続で米国を上回っていること、円安、設備投資の記録的な伸びが見込まれること、を指摘していました。最後の設備投資の伸びについてですが、日本株は資本財・サービスの割合が高く、設備投資の伸びの追い風を受けやすいとのことでした。過去数十年はIT企業に投資資金が集中し、設備投資や実物経済の重要度が低下していたものの、昨今の地政学的リスクの高まりやサプライチェーンの見直しが設備投資の重要性を再認識させると考えているようです。

私はこの意見に対し、首をかしげてしまいます。経済成長や企業業績で米国を上回っているというのが何を指しているのか分かりませんでしたが、少なくともGDP成長率を確認した限りでは、そのような結果は見受けられませんでした。インフレを控除した後であれば、日本が米国を上回るのかもしれませんが、それはあくまで一時的な出来事だと思います。円安や設備投資の伸びも、それらを日本企業が本当に収益に結びつけるのかは未知数です。

このように考えると今回の記事は日本株式の担当者が、いわばポジショントークとして明るい見通しを語ったものと考えた方が良いと思っています。日本人として日本株式には頑張ってもらいたいものの、日本株式に投資する気にならない。こうした私の気持ちはそう簡単に払拭されません。

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