岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

やはり出た。日銀保有株式を実質的に政府が保有するアイデア

日銀は金融緩和策の一環として、ETFを通じて株式を保有しています。その額は50兆円超で、日本の株式市場の7%に相当するそうです。これだけの株式が売却されると当然株価へはマイナスの影響が出るわけですが、そのマイナスを抑えるための意見が記事になっていました。

その意見では政府が設立する基金が日銀の保有株式を買い取り、日銀へは代わりに債券を発行することになるようです。債券は償還期限のない永久債ということですので、買い取られた株式は半永久的に保有されるのだと思います。保有する株式の議決権行使はどうするのか等の技術的な問題はいったん置いておいて、今回の案は政府とその関連団体が保有する資産が増える好事例だと思います。

国の負債の大きさに対し、負債に相応する資産を有しているので、いざとなればその資産を売却すれば負債を返すことは可能とする意見があります。積極財政を唱える人が特にこのような主張をしているように思います。私はそうした意見に対し、インフラ施設(全てが高採算の施設とは限りません)のように売却が難しい資産があるので、その理屈は正しくないように思っていました。

今回の案でも日本政府とその関連団体は売却が前提としていない資産を保有することになります。資産保有の代金は債券という形で日銀に支払われ、公的セクター内での資金のやり取りになりますが、こうした「錬金術」が続くといつかは日本円に対する信認は低下すると思っています。

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