岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

日銀の保有資産額を確認し、将来を不安に思う

FRBは資産を縮小して市場に出回るドルの量を減らしており、需給の観点から利上げが終わってもドルが強含む可能性を紹介した昨日の記事を準備する際、FRBと日銀の資産量を比較しました。以下はFRBと日銀の資産額の推移(単位が百万ドルと1億円で異なります)を示すものですが、これを見るとコロナ対策でFRBが急激に資産を増やしており、資産を減らす過程でたしかに市場へのドルの供給が減るであろうことが理解できます。

セントルイス連銀のデータベースより

 

そしてこの手の統計を見る時はGDP対比で見るべきというお約束に従い、GDP対比で資産を眺めて驚きました。GDP対比では日銀の保有資産はFRBを圧倒しています。

セントルイス連銀のデータベースより

 

日銀の資産の中身を確認しようと思って直近決算を見ると、736兆円の資産のうち526兆円が国債で占められており、資産の7割超が国債になっていることが分かります。

日本国債のうち日銀が保有する割合が50%を超えたり、国債発行量よりも多くの額を日銀が買い入れていることが話題になっている通り、現在の日本国債市場は日銀が支えている状況です。日銀がどこまで資産を増やせるのかは分かりませんが、GDP対比で見て既に米国の4倍超に積み上がっていることを考えると、資産増加には限界があるという意見の説得力が増えます。

日銀がこれ以上資産を増やせないとなると、新たな買い手は国債に対してどれだけの利回りを要求するでしょうか。おそらく金利は上がるのでしょうが、金利上昇に日本政府は耐えることができるのか、イギリスの前例もありますし、空恐ろしい気がしました。

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