岸辺の日記

日常のあれこれを記録します

年金制度の改悪に寛容な(?)日本国民

主に自営業者等が加入する国民年金の納付期間が現行の40年から45年に延期することが検討されているそうです。現在の給付水準を維持するための措置ということですから、納付期間が延期されても年金額が増えることはないと思います。つまりこの変更は不利益な方向への変更ですが、このことに対する国民の反発は今のところ、それほど大きくないように感じています。

国民年金をめぐっては主に会社員が加入する厚生年金からの穴埋めが行われることが決まる(年金制度は複雑で、詳細は理解していませんが…)など「飴」にあたる方針があきらかになっていますから、「ムチ」にあたる今回の改悪はやむなしと受け止められているのかもしれません。ともあれ国民の一大関心事である年金の改悪に対し、反発が少ないことはとても意外です。

この問題は受益と負担のバランスを考えるよい契機になると思います。これまでは人口増とそれに支えられた経済成長によって手厚い福祉が可能でしたが、今後は「年金が改悪されるくらいなら、増税されても構わない」「年金が改悪されるくらいなら、現在提供されている福祉が縮小されても構わない」といったように、受益と負担のバランスを取ることが必須になります。

年金の改悪は政治的に困難な選択肢であるにも関わらずこのような変更が検討されていることは、これまで日本が提供してきた社会福祉が限界に近づいていることを示唆しているのでしょう。今回の変更は受益と負担に関する現実を直視する契機にはならなさそう(大きな反発を受けることなく改悪が認められる模様)ですが、次回も同様とは限らないと思います。

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